四章

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鬼が倒れたと報告した後医務室に向かうと、白いベットに寝かされた係長の横で主任がスマホをいじっていた。 「どうだった? 経理は」 「騒然としました」 「一彬さんサイボーグだと思われてるもんね」 鑑田主任が小さく笑うと、ぐったりした嶋木係長が負け惜しみのように言う。 「もう、好きに言ってろ……」 さすがの係長でも、ベットに往生したまま力無く呟かれてもあまり怖くない。 「あ、華生さん来たって。受付にいるから墨村悪いけど迎えに行ってくれる?」 「あ、はい」 華生さんって多分奥さんだよな……こんな厳格のカタマリみたいな人と結婚するなんて、どんな奇人だろうか。
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