四章

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「ごめんなさいね柊聖(しゅうせい)さん、兄様が迷惑かけて。すぐ連れて帰りますから」 私の胸に黒い物が騒めいた。 「俺が一彬さんを運ぶよ」 「ありがとうございます、これ車の鍵です」 華生さんは主任の手に当然のように自分の車の鍵を乗せる。 ……普通、他人にそんなに気軽に車の鍵を預けたりするだろうか。 「ん。華生さん荷物とっておいでよ。墨村、華生さん経理に連れてってあげて?」 主任は既に嶋木係長を引きずっているので、私は返事をするしかない。 「……わかりました」 「よろしくお願いします。えっと、墨村さん」 華生さんはもう私の横で鞄を握りしめて待機していた。 「じゃあ、向かいますね」 なんか、体中がもやもやする。
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