序章 拓庵和尚を紹介します

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ふじのぶようこ です このお話は・私の知り合いのおじさんと私の〔会話〕というか〔間答〕を中心に・進んでいきます おじさんの名前は 『沢 拓庵(さわ たくあん)』さん/でも私は・普段「拓庵和尚~」とか「和尚!」って愛をこめて呼んでいます 拓庵和尚は・東京の多摩川の近くの小さいけれど日本庭園のような庭と少し道に飛び出している柿の木のある築百年は経っていそうな木造の平屋に住んでいます だから・本物のお坊さんってわけではありません 拓庵和尚とは・私が幼稚園の頃に見たかなってのが最初の記憶です それから小学校に進学して・両親は共働きで家に帰っても誰もいなかったし/ 当時はそんな子供達が結構いたので・なんとなくこの拓庵和尚の家に集まってきては 遊んでいました 遊んだけど・それでも時間があるので 遊び疲れたら宿題をしました・解らないところは 拓庵和尚や近くにいた大人に教えてもらいました/ 昔でいう寺小屋みたいなものでした 私は勉強が苦手で・特に算数でした/ 拓庵和尚は「教える」というよりも・その問題を【種】にして いろいろと語るのが好きでした 教えてもらったコトを学校の先生に見せると・よく × とか △ になってしまいました/ だから拓庵和尚に教わる子供は・やっぱり減っていきました でも私には・その話の【種】が・どこかのセカイに繋がって また広がっていくところに・すごく興味を持ってしまったようです/ 宿題よりもおもしろくなって・だんだん拓庵和尚と〔算数間答〕なるものをするようになっていきました /〔和尚〕という役職名も・母親に言わせると私がつけたとのことなのですが・記憶には全くありません
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