一日が毎日

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 二人で学校までの道を歩いていると大きな虎が歩いていた。マサミチはそれに駆け寄り猫の頭を撫でるように優しくさすった。虎も所詮は大きな猫なのか頭を擦り寄せてきた。 「また野良虎か」 「最近多いよね。この前なんか野良ライオンがいたよ」  あたし達の暮らす町にはこの様な野良ライオンや野良虎や野良キリンや野良トムソンガゼルや野良シマウマなどが歩き回っている。 昔はあの様な動物たちは「動物園」と呼ばれる場所で檻に隔離されていたらしいのだが信じられない事だ。もっと信じられないのがライオンや虎がシマウマやトムソンガゼルを食べていたと言うことだ。生きている者が生きている者を食べると言う事はあたし達、いや、この世に生きる者全てが想像の出来る事では無かった。 今や、ライオンも虎も野菜や草を食べている。これが普通でそれ以外がありえないと言うのがあたし達の認識であった。
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