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そんなある日のことです。 王様が病に倒れました。 何日も何日も、王様はベッドの上で高熱にうなされました。 王様は自分の死期が近いことを悟りました。 病の床で王様は一生懸命考えました。 この国のこと、人々のこと、お姫さまのこと。 考えれば考えるほど、悪いことしか浮かびませんでした。 * 満月が眩しいくらいにお城を照らす夜。 王様は、道化師を呼びました。 「お呼びでしょうか?王様。なに歌が聴きたいと?私の歌を聴いたならば、あまりの感動にお腹がよじれてしまいますぞ。ん?そうじゃない、玉乗りが見たい?滅相もない。玉乗りにかけては王様の右に出るものはおりますまい。なんと言ってもこの小さな国で作られる紙によってこの世界は玉乗りの玉の如く回っているのですからな。その小さな国のてっぺんで玉転がししているのが王様であるからには私の出番などこれっぽっちもございません。」 王様の具合の悪いことはお城のものはみんな知っています。道化師は少しでも王様の気持ちが晴れるように精一杯おどけました。 道化師が口上を述べ終わり深々とお辞儀をすると王様はベッドの傍に来るように言いました。 道化師は飛び跳ねながら王様の元に行きました。
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