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森の中の泉に着くと道化師は本を取り出しました。 お姫様にはもう必要の無いものです。 道化師は本に話しかけました。 「王様。お約束は果たしました。」 本はその言葉を待っていたかのように輝きはじめました。 そして光の粒となり道化師の手からこぼれ落ちました。 もう、道化師の手には何も残っていません。あるのはこの四年の思い出だけ。 道化師は再び歩き始めました。 お城に続く道を背に。 そんな彼を月は優しい光で包み込みます。 一人の男としての道化師を。 fin.    
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