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外の雨は止みそうに無い・図書室が終わる時刻は来てしまった
図書委員としては自覚が足りない先輩を・それでも雨の中に置いてきぼりにはできない
「もし無人島に行くとして・1冊だけ本を持っていけるとしたら 君はどの本を選ぶ?」
私の傘を差している先輩/ まだその話題は続いていたのか? と思う
「そうでしたね 『もし無人島に2人で行くとして』 でしたっけ」
「そうそう 君とボクで行くとして」
「1人目が上陸したら・無人島 とはいえないのでは」
「では・2人ジャンプ で同時に上陸 とする」
先輩は何故か上機嫌/ これはいけない傾向だ
唐突な質問を投げてくるのを 先輩のお茶目なトコロとしてきたけど・認識を改めるタイミングだろう/ 余計な会話の中で・つい私の先輩への視点 が入ってしまいそうになる
「グリ と グラ」
あと3歩でハンバーガー屋・に入ろうとする先輩を置いて 立ち止まる
「グリ と グラ ?」
聞きなおす先輩/ ?の分だけ アクセントが変わっている
「グリ と グラ」
さっきと同じよう に言ってみる
傘をたたんでいる先輩の横をすり抜けて 自動ドアを開ける
南多摩高校御用達のハンバーガー屋は・駅前だし 雨だし 放課後だし/ 当たり前のように生徒達の話し声でいっぱいだ
先輩は 全面ガラスの窓に面した机にある丸イスに座る
しかたなく私も隣に座る・丸椅子はつま先を届かせるので限界/ 先輩にはちょうどよいのが 今日だけはちょっと悔しい
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