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「反対車線を走っていた車が、私たちが乗った車に突っ込んできたの」  健は彼女の両親に結婚のあいさつに行く途中に、交通事故に遭ったのだ。 「健、まだ、私のこと好き?」  彼女が笑顔でそう言うのでうなづいた。彼女のことを、この人生が終わっても忘れられないと思ったが、本当に忘れないでいられるのか、あまり自信がない。 「ずっと一緒だよ、健」  彼女のその言葉に健は思わず失笑した。ふたりで大笑いを始めた。  健は彼女と見つめ合ったまま、一緒に上昇し続けた。 「オレ、死んだの」  健が思わすそう言うと、彼女が笑っていた。 「まだ、そんなことを言っているの、健」  彼女に言われて、健は体の感覚は敏感なのに、意識が薄れていくのを感じた。その時ずっと健は彼女の笑顔を見つめていた。
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