物語り

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 達成感に加え、今この公園でこの景気をを眺めているのは自分一人しか居ないという高揚感から、次第に周りが見えなくなっていた。  もっと枝の方から撮ろう。そう考えた女の子は危険を顧みず枝に跨り先の方へ移動する。流石にあまり行き過ぎると枝が折れて危険だと考える余地は残っていたので、枝がたわみ始める手前で止まり、体を安定させるため枝を抱くように前傾姿勢になった。 さあ撮るぞ、という段階にきたとき、桜の木の全体が唸るような音を立てながら大きく揺れ始めた。 突風が吹いたのだ。 地上では髪が乱れ服が音を立てて靡くような強さであろうが木の上は違う。枝は左右に大きく振れ、容赦なく女の子の乗る枝を揺さぶる。 女の子も最初の方は何とか耐えていたが、両手にカメラを持っているため上手くしがみつけない。カメラを持ち換えようとした次の瞬間、 女の子は宙へ投げ出された。
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