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久しぶりのコンビニの仕事、基本的にはお客様の少ない時間だけど、電車の到着後暫くは少し混み合う。 「あれ?朝見さん? しばらく見かけなかったけどバイト復帰したのー?」 私を覚えていてくれた常連のお客様が嬉しそうに声を掛けて下さる。 この方は21時頃の下り電車で帰って来る時にお夕飯を買いに来店する、会社員らしきスーツ姿のお姉さん。 「今日はピンチヒッターなんですよ~」 「朝見さんのその笑顔と話し方、やっぱり癒されるわ~……」 ……誉められる事に慣れてないので、照れてしまいます。 ありがとうございます、と言いつつレンジから取り出した温かいお弁当を手に、にへらっ、と笑みが溢れてしまう。 「ねぇ、名札の名前、鈴木さんになってる! もしかして、店長さんと結婚したのー?」 彼女の声に、そう多くはない店内のお客様が一斉に私を見たのに気が付いた。 ぼん、と音が出そうな程、顔が赤くなるのが分かる。
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