第1章 來夢の日記・來夢の手

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 3月28日  今日窓際に並べている手を見た雪也(ゆきや)に「これって地獄で阿鼻叫喚する死者の手みたいだね」って言われた。  え?って思ってわたしは拍手喝采してるように見えるよって雪也に言ったら、雪也は來夢(らむね)らしいねって笑った。  手の中から今日は桃色のやつを選んで雪也とお花見に行った。  ホワイトデーのお返しに雪也が買ってくれたやつだ。  夏にはきれいなレースのをくれた。  高かっただろうな。  結局もったいなくてまだ1度しかはめてないけど。  前は面倒臭くて適当に選んでいたけど、雪也がプレゼントしてくれるようになってファンションとして楽しめるようになった。  ああ、わたし本当に雪也が好き。  ちょっと変わっているけどそんな雪也が好き。
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