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記念日 になったらなら
南多摩高等学校正門から東に150mのところ 古い写真館があります
両親が この高等学校を一緒に卒業したのが3月末日/それから7年と1か月と1日後に・私が生まれました
3才になって 何でもない日に・その古い写真館で写真を撮りました
両親と私の3人の写真と・あと私だけの写真でした/そして それから・何かの記念日が見つけられたら その写真館で写真を撮ることになりました
その日に 写真館で写真を撮ったのは・『記念日になったから』で/その日を記念日にしたのは『私』で 一緒に撮る相手を決めたのも『私』だと・お父さんは言いました
5才の誕生日のときは 私もそれなりに考えられるようになっていて・3才のときに撮った写真を見ながら お母さんに聞きました
「だって 3さいでしょ・なんのきねんびを きめたの? あたし・が・・・」
「あの写真屋の出窓を見て 『ここで・しゃっちん・とりたいます』って言ったのよ」
「それで なんのきねんび?」
「あなたが・初めて自分から『これを・したい』って きちんと言えた記念日」
「しゃしん とりたい・きねんび?」
ルール は何だかよく分からなかったし・それに『3才の私が何でそう言ったのか』がふしぎでした/それで 何か分かるかなって思って・古い写真館の出窓のところに行きました
何枚かの写真がきれいに並べてありました
「あれっ」
1枚の写真に目がいきました/3才の私が思ったこと ってこれかな/きっとまちがいない と5才の私は思いました
それは『赤ちゃん』の写真でした・着てるもので 男の子かなと思いました
写真には 生まれた年月日と名前がありました/名前は英語の文字で読めませんでした
生まれた月日は・私が5月1日で 男の子が6月18日で・年は私と同じだから 同い年だと分かってうれしくなりました
いっしょうけんめいに英語の文字をおぼえて お母さんに聞きました
Takauki で たかうき だと分かりました・ちょっと変だなと思いました
4月6日・小学校の入学式のときに びっくりしました
あの男の子だって すぐに気づきました
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