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#2 入学式(2)
「…。」
やばいよ…二人とも硬直してる…。恐らくだけど茶髪の男子と眼鏡の女子には、
『朝も早くから可愛らしいゴスロリ女子を金髪のヤンキー女子が襲おうとしている百合展開を、不健康そうな男(僕)が止めようとしている。』様に見えるだろう。
…実際は薔薇で作った百合の造花なんだけどね。
この展開、僕は別に良いけど二人は…大変なことになるんじゃないかな?
「…何のプレイなの?」
八雲さんを見て、茶髪の爽やかそうな男子が冷やかすようにニヤニヤしながらそういった。八雲さんの顔が見る見る赤くなっていく。
それを見た眼鏡の女子も納得したような顔をして、八雲さんの肩をたたき、
「女の子同士の恋はね…周囲から変な目で見られるかもしれないけど…頑張って!」
「ちがうわあああああ!」
顔を真っ赤にした八雲さんが僕の拘束を振りほどいて二人に殴りかかった。
「あはは~。」
茶髪の男子は余裕そうな顔つきで、眼鏡の女子は「わわわ!」と驚きながらよけた。
「まあまあ、落ち着いて。君を止めてた人が吹き飛んでしまってるよ。」
その通り。僕は振りほどかれた時に吹き飛ぶ、まではいかなかったけれどそれでも衝撃でしりもちをついてしまった。…痛い。
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