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どすの聞いた声で月見君に近づく。…うわあ碓氷君ゲラゲラ笑ってるよ、この人絶対ドSだ。そして先生、もはや空気。
「今度こそ死ねやあああああ!」
八雲さんが蹴りかかろうとした瞬間、月見君がものすごい勢いで起き上がった。
そしてその勢いを止めぬまま、八雲さんの後ろに立って。
「「え?」」
八雲さんと僕の声が見事に重なった。そのくらいありえないような光景だった。
月見君が、八雲さんの、後ろに立って、胸をもんでいる。
「うわあああ…。」
八雲さんが顔をさらに真っ赤にして膝から崩れ落ちた。
「ま、未経験の女の子なんてこんなもんよ。」
月見君が手をパンパン叩いて得意げにそう言った。
「なにやってんだあああああ!」
ゴス!拳で月見君を本気で殴った。
さすがにこれは止めないと、いやもっと早く止めるべきだった。
「な、なにすんのさ!」
「お前はバカか!入学式だぞ!リハーサルあるんだぞ!あと女の子にそんなことするっていかれてんの!」
「僕可愛いから女の子に何してもいいと思うんだ!」
起き上がった八雲さんが顔を真っ赤にしたまま月見君を殴った。
「いいわけあるかあああああ!」
碓氷君と眼鏡の女子いい迷惑だろうな、と思って二人を探すと、…碓氷君はスマホのカメラでめっちゃ連射撮影してた。眼鏡の少女に至ってはビデオカメラで撮ってる。なにしてんだ。止めろや。
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