3人が本棚に入れています
本棚に追加
ビイイイイイイイイイイイ!
ぐちゃぐちゃになった状況をリセットするように大きな笛の音が鳴り響いた。
音が聞こえた方角を見ると眼鏡の女子が笛を銜えて立っていた。
「はいストーップ。皆さんに大変なお知らせがあります。」
眼鏡の少女が言葉を続けた。
「もう、入学式始まってるそうだよ?あと三分でスピーチだって。」
エ、モウハジマッテンノ?チョットヨクワカラー
「準備してだってさ。」
「「「うわあああああああああ!」」」
月見君と八雲さんと僕の声が見事に重なった。
「マズイマズイマズイ!」
「無理無理無理無理!」
「お前のせいだ!ボケッ!」
舞台袖でパニック状態になっている僕と月見君と八雲さんとは対照的に碓氷君と眼鏡の少女は冷静だ。
「落ち着きなって。失敗しても死ぬ訳じゃないんだから。」
「この後の学校生活が死ぬんだよおおお!」
なだめてくれた眼鏡の少女に思い切り怒鳴ってしまった。…最悪だ。
「そ、そうだよね。死にはしないよね?」
すっかりおとなしくなった月見君を見て八雲さんは、
「お前は死ね!何度も死ね!この入学式をループし続けろ!」
…お怒りのようだ。
「続きまして主席入学者の挨拶です。それではお願いします。」
「さ、君達出番だよ!GO!」
最初のコメントを投稿しよう!