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「皆様、この三年間をどうか大事にして下さい。ここでの学校生活を楽しみ、仲間との友情を育み、高校生活を過ごしていってください。皆様が有意義に高校生活を過ごせることを、祈っています。以上で挨拶を終わらせていただきます。一年生代表、千草零。」
惜しみの無い拍手が体育館に響いた。中には泣いている人もいる。凄いなこの人。
「いやーアドリブだからちょっと自信ないなー。」
「即興だったの!?」
しかもアドリブ。正真正銘の天才を見た。
「続きましてー、鳳修也君、お願いします。」
おっと僕の番だ、さて原稿を…無い!?え、嘘でしょ!?
ポケットをまさぐるが母さんに持たされたのど飴ぐらいしか見当たらない。まさかさっきの乱闘でー、振り返ると八雲さんがさっきとは対照的な青い顔で僕を見てた。
彼女の手には僕の原稿が握られていた。
(やべえええええええええ!)
八雲さんとの距離は一メートルぐらいだけど受け渡しなんかしたらすぐばれる。全校生徒の前でそれは避けたい。こうなったら原稿なしでやるしか…、
「え、えっと…楽しもうね!?」
…終わった緊張しすぎて変なことを喋ってしまった。
その後のことは僕が魂が抜けたかのように立っていただけなので、ほぼ覚えていない。ただ八雲さんが僕の原稿とほぼ同じことを喋っていたのは…何でなのかな~あ!
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