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ブッ!…今こいつ、なんて、言った?え?嘘でしょ?
遠目からだが遥って名乗った奴の顔はめちゃくちゃ整っていて、可愛いなと思った。どのくらいと言うとそこらへんの男だったらちょっと目に涙を浮かばせただけでイチコロに出来そうなくらい。たぶん僕もイチコロにされるだろう。
顔を上げるとヤン女と教師の顔を見ると口をあんぐりと開けて硬直していた。とても間抜けな顔だが人のことは言えない。なぜなら鏡をみれば僕もそんな顔をしている容易に予想できるからだ。
「…嘘でしょ。」
硬直状態に居心地が悪くなったのだろうか、ヤン女がゴスロリ女子(?)にそういう。
「嘘じゃないよ~ホントだよ~。というよりゴシックロリータの服着てる人は大概、男の人だよ。注意!」
お前…怒られるぞ…ありとあらゆる人から。
「はああ!何それ!?変でしょ!?そんな…女子の格好するなんて!」
教師は怒りがついに頂点に達したのだろう。…でもこれはちょっと言いすぎだ。
「先生。それはちょっと言いすぎだ。」
口をあんぐりと開けていたヤン女が急に真剣な顔つきになった。
「トランスジェンダーって知ってるか?性同一性障害の一つでな、体の性と心の性が一致しない人のことだ。」
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