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「ハハハッ……ああ、笑わしてくれたなあ好き者そうな蝙蝠の姉ちゃんよお、そのおめでたい頭にゃあ理解出来ねえかもしれんが一応、説明しといてやるよ、ダンジョンの奥にあるのはダンジョンコアっつうばかデカイ魔水晶で人型の主がいるなんて話は聞いた事がねえよ、大方森で出逢った騎士団長様に騙されて一緒に行動してる最中に捜索隊の連中が出払ったキャンプを見つけて捕虜になったエルフを助け、その後は捜索隊との戦いで消耗したダンジョンを火事場泥棒みてえに踏破して住み着いたってとこだろう、この部屋はダンジョンコアに魔力を流し込んで騎士団長様が造り、おめでたい頭のお前さんは騎士団長様に上手いことおだてられてお山の大将に祭り上げられたんだろうよ、くっふふ、しっかしお前さんの頭の中身は相当めでてえなあ、まっ頭が弛い好き者ってのは嫌いじゃねえけどな」
2人は笑いの余韻を引き摺りながらアイリスの事を嘲り、得得と長広舌を振るった元隊長は扇情的な装いによって艶かしく胸元が露にされたアイリスの豊かな双丘を明け透けに好色な視線で見詰めながら言葉を続ける。
「……蝙蝠の姉ちゃんよおっ、お前さんがこのエルフ達の主だって言うなら俺達の所に水を運ばせる様命令してくれよ、笑った上に長々と喋らされたんで喉が渇いちまったんだよ」
「……あらあら、それは大変ねえ、リーナ、アリーシャ、2人に水を運んで飲ませてあげなさい」
元隊長の言葉を聞いたアイリスはその言葉を疑う素振りすら見せずにリーナとアリーシャに声をかけ、2人は何か言いたげな様子で暫く逡巡した後に渋々と言った様子で頷いた後に木製の簡易な造りのコップに水を満たして下級幕僚と元隊長の所へと運び始めた。
その光景を当然と言った様子で見詰めていた下級幕僚と元隊長はリーナとアリーシャが傍らに到達した瞬間に縄を振り解いて立ち上がり、咄嗟の事態に対応が遅れたリーナとアリーシャが床に落としたコップが水を撒き散らす中2人を羽交い締めにしてしまった。
「……フフフありがとうございます、頭の緩い蝙蝠の獣人さん」
「……ああ、ホントに助かったぜ、見た目通りに頭が緩くてよ」
下級幕僚と元隊長は勝ち誇った様子でそう言いながら袖口に隠し持っていた千枚通しを羽交い締めにしたリーナとアリーシャの喉笛に突き付け、その後に下級幕僚がにこやかな表情でアイリスに向けて口を開いた。
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