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ひとりぼっち
原始人は一人ぼっち。
洞窟の暗闇の中、ついに目を覚ました原始人は、目玉をきょろきょろと動かした。
けれども、暗闇の中では何も見えなかった。
自分が本当に、目を開けているのかどうかすら、判らなかったので、原始人は指で目をこすってみたが、結果は同じだった。
原始人はため息を吐き、そして大きな口を開けて、あくびをした。
耳をすますと、何か音が聴こえていた。
洞窟の外で吹き荒れる春の嵐が、洞窟にごぉーごぉーという、音を鳴らしていたのだ。
原始人はついに体を起こすと、瞬きを何度もした。
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