きっと貴方にはどうでもいい日常の1ページ

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きっと貴方にはどうでもいい日常の1ページ

それは、授業と授業の合間の休憩時間。 たった、5分程度の中で起きた出来事。 誰にとっても、なんてことない日常の1ページに過ぎない一瞬のことだった。 いつものように、休み時間のチャイムと共に私はノートの上にペンを置いて思いっきり天井に向かって伸びをする。ずっと同じ姿勢で妙に凝り固まった首や肩をほぐして、一息をつく。 ――ああ、次の授業は、嫌いな社会だ そんなことをぼんやり思いながらため息をつき、別にトイレに行きたいとも思わないからこの時間は携帯でも弄ってようかなぁ、とか考えながら手を動かすことなく私はぼーっと机に頬杖をつきはじめていた。 そしたら、急に、目の前の席に座っていたアンタは「できた!」とそれはまぁ会心の笑顔で振り向いて私の机に一枚のメモ用紙を遠慮という2文字を知らない人かのように置いた。 そういえば、授業が終わるだろう数分前から、イヤホンを付けて何かに聞き入りながらの状態で熱心に何やら書いてるなーと思っていたが、なんだろう? と思って置かれた紙を覗き込んでみると、お世辞にも綺麗とは言えない字が掌サイズのメモ用紙一杯にずらーと所狭しと並んでいた。文字列もガタガタで最後の文の方はかなり尻すぼみになっていて、このメモ用紙じゃ書きたい文の文字数は足りなかったと文字たちが主張していて思わず「フ、何?」と私は吹き出してしまった。同時に、もし自分が人に見せる文を書くとしたらこの汚い状態はそうそう見せんわ、と言葉には出さないが心の中で結構毒の強めなツッコミを入れていた。 「これ、よくねぇ?  読んでみって!」
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