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新たに表示された映像には巨大な洞窟の奥で惰眠を貪る鮮やかなエメラルドグリーンの鱗に覆われた体躯が印象的な巨大なドラゴンの姿が映っており、それを目にしたライナが掠れ気味の声をあげた。
「こ、これは、フォレストドラゴン……し、しかも、かなりの古成体」
「……昨日の夜簡単な魔力捜索をかけたらかなり強力な反応を捉えたから直ぐに使い魔を急行させて正体を探させて、ついさっき見つけたの、コイツをテイムしてあたし達はコイツと一緒に空から混乱している陣営を強襲するのよ」
ライナの呟きを聞いたアイリスは悪戯っぽく微笑(わら)いながら方針を説明し、唖然としていた一同の中で一番早く現実に復帰したミリアリアは苦笑しながらアイリスに話しかける。
「……そうか、そう、だったな、貴女は」
「……そっあたしは魔王、魔王アイリスよ」
ミリアリアに声をかけられたアイリスはそう言いながら微笑み、ミリアリアはその微笑みに頬と笹穂耳を仄かに赤らめさせながら近寄り、躊躇いがちにアイリスの手を握って言葉を続けた。
「……ありがとう、何時も何時も、貴女には貰ってばかりだな」
ミリアリアの言葉を受けくすぐったそうに微笑(わら)いながらその手を握り返すアイリス、その耳もミリアリアと同じ様に仄かな朱を帯びていた。
使い魔達の偵察と捕虜の訊問の結果、残党狩部隊本隊とそこに捕らえられている捕虜達の情報を得たアイリス達は捕虜奪還の為、本隊の襲撃を決意し、森の奥に住まうモンスター達による戦力拡充を企図する事となった……
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