黒い日光

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 黒い日光は予測が出来ない。そして、原因が未だに改名されていない。  技術の最先端を突き進む偉人たちでさえも音を上げているという事は、それほどまでに異質なもの、それか霊や念のように実態のないものの影響という事になる。    そんな説を多くの研究家が次々と公言している。全くもって救いようの無いことであると思う。  人々を安心させるためにどこぞの誰かが適当に弾きだした数字がコレだろう。  今までに黒い日光が訪れたのは数十回。回を増すごとに短くなっていた黒い日の出ている時間に、一時期はそのまま現象が起こる事はなくなるのではと話も出ていたが、願い虚しく、ただ単に不規則なだけであるという研究結果が出た。  一秒後かも、一日後かも、一か月、一年、何年先に再び訪れるかわからない現象に皆怯えている。 だが逃げ出すことさえもかなわない。どこにも逃げ場など無いからだ。現象は地球全体に影響している。 だが、一つだけ、意外にも身近な場所に、この黒い日光から身を護る事の出来る場所が存在する事がわかった。 地下だ。地下室、地下商業空間、下水道…とにかく地上よりも下の空間に居れば、日光が届かない。 メディアが取り上げるよりも先にSNSで拡散され、我先にと避難を開始した人間が大勢いたという。     
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