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「もうひとり容疑者がいるじゃない」
「もうひとりって誰だよ!?」
ケンタは食ってかかる。
「アンタよ!
この家にいたのは私とアンタでしょ?
そんならアンタが食べた可能性もあるじゃない!」
「ボクが食べたんならそもそも事件になんないだろ!」
ケンタは顔を真っ赤にして反論する。
「だって私が食べてないんだからアンタしかいないでしょ。
自分が食べたの忘れてんじゃないの?」
お互い一歩も譲らない。
「物的証拠が必要だな」
ケンタは虫眼鏡を取り出してテーブルをなめるように調べ始めた。
「ちょっとどきなさい」
ショウコはテーブルにアルミパウダーを散布し、耳かきのふわふわしたアレで指紋を浮かび上がらせる。
「なんでそんなの持ってんだよ!?」
「推理小説書いてる人間はこれくらいいつも持ち歩いてるの」
中学で文芸部に所属しているショウコが言うのだからそうなのだろう。
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