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ある朝、K・Kが気がかりな夢から目覚めると一通の黒い封筒がテーブルの上に置いてあるのに気づいた。頭を少し持ち上げてそれをじっくり観察してみると、その黒い封筒はA4判紙ほどの大きさの黒光りする封筒で、黒い紐で封がしてあり、何も入っていないかのように薄かった。Kは寝ぼけ眼をこすりながらベッドからずり落ち、のそのそと這っていってその封筒を手にとった。ひんやりとした床がお腹と擦れて気持ちがいい、とKは思った。
Kはその封筒を表や裏や横からまじまじと見てみたが特に新しい情報は得られなかった。せいぜいその封筒には差出人も宛先も書かれてないということぐらい。とりあえず中を確認してみようと思い、Kは鋏で紐を切って封筒の中身を確認した。中には一枚の紙が入っていた。取り出してみるとそれは何も書かれていない真っ白な紙で、透かして見ても何か文字が浮かび上がる、というものでもなかった。
他に何か入っていないかとKは封筒に手を入れて探ってみた。すると彼の小指の先に何かとても薄い、小さなものがカサリと触れた。彼は封筒をひっくり返し、軽く揺すって封筒の奥にあるそれを机の上に出してみた。ぽろりと落ちてきたのは小鳥ほどの大きさの蝶の死骸だった。
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