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衝撃的な法律だった。施行されたのは五年前。一部の許認可を得た組織や機関以外での、未来視に関する研究や制作は禁じられることになった。この法律の施行により、未来がわかることを売りにしていた、多くの企業は廃業に追いやられた。
しかしながら、その九割以上は詐欺まがいの商品やサービスを販売している悪徳業者だったため、反対のデモや抗議はほとんど起こらなかった。稀に起こったとしても、公には報道されず、すぐに沈静化された。
未来視研究に最も熱心に取り組んでいる大学の研究機関などは、政府が事前に許認可を受け付け、滞りなく許可証を発行していたため、問題は大きくならなかった。許認可は個人でも申請内容次第で取れないことはなかったが、商業利用となると、手続きがひどく煩雑になることは知られていた。
不明確な情報により、未来への不安を不必要に煽られたり、虚偽の情報に惑わされるリスクを回避するため、というのが政府側の理屈になっている。
「特許申請をして、すぐに許認可を持ってる組織や企業に販売すれば問題ない……かもしれない」
とリクは言った。カイは嫌いなピーマンとにらめっこをしている子どものような顔をしたものの、なにも言わなかった。
「それより問題は、こっち、だなあ」
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