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弐
想心が目を覚ました
そこは誰かが作った空間だ
外の時間的には夜
想心は一日中眠らされていたのだ
とりあえず地底に帰ろうと思い動こうとした時
想心は自分が縛り付けられているのに気がついた
手、足、体。
どこも結び目がきつくロープも
頑丈であるためどう足掻こうとも
ほどけることは無い
だが幸いサードアイだけは
自由に動かせるようだった
「……っ!」
誰かが想心に近づく
それは想心を拉致監禁した影だ
さっ、と想心はサードアイを影に向ける
そして見えたのは悪意。
だがイメージだけで
はっきりとは見えなかった
だが想心は恐怖を抱いた
あんな悪意を見たことがなかったからだ
これは人間が抱く悪意なのか?
もしくは怨霊か?
そんな疑問が浮かんだが
今は逃げることが先だ
そう判断した想心は動こうとする
だが拘束されている為に動けなかった
じりじりと寄ってくる影に対して
想心は身動きがとれずそのままだ
「………」
無言で想心に近寄る影
ついに影と想心の距離はほぼ零となった
その瞬間
「……っ!」
想心の首をしめる
「……シネ…シネ…ゲンソウキョウ
ニンヨウハ……コロス……
ヌシノタメニ………」
そう呟きながら影は想心の首を更に強くしめる
「っ……」
想心は影の手首を掴み抵抗するが
全く歯が立たない
まるで幼い子供と大人だ
想心は妖怪で人間よりも力は強い
だが影には全く歯が立たない
暫く絞め続けられると
想心の意識が遠くなってきた
意識を失う直前に
この幻想郷の巫女、
博麗霊夢が想心の視界に入った
霊夢は影をお札で追い払うと
想心の首に手を伸ばした
生きていることを確認し、
永遠亭へと紫に運んでもらった
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