第1章 井上まりな

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「帰りどっか寄ってくか?」 「そうだな」 あの日から3ヶ月がたった 夏は終わり、風は随分と冷たくなった 俺は友人とともに、学校から駅までの道を歩いているところだ 自己紹介をしなければいけないな 俺の名前は"才川 鋼"という さいかわ"はがね"って読むんだ かっこいいだろ? ちなみに高校三年生、高校三年生の秋といえばそう、受験シーズンの真っ只中ってわけだ。 「モックにするか?」 「えー、昨日もモックだったろ?他なんかねーかな」 「いつもそれ言って他にねーからモックになんだろーが。ほらいくぞ!」 俺は悪態をついたものの、友人の選択になんやかんや従う いつものことだ。 ピロンパロンピロンパロン・・・・ 「「いらっしゃいませ!!」」 入店ベルが鳴ると店員の元気な声に出迎えられる 俺と友人は適当に注文をすませると商品を受け取って席に着いた 「なーはがね、オマエどこの大学行くか決めたか?」 「いや・・・・まだだよ、自分のやりたいこととかわかんねーもん」 「まー大体のやつがそうだよな、俺もそもそもこのガッコーにはたまたま勉強できたから入ったよーなもんだからな。大学進学率99%とか知らなかったしなあ」 そう、自慢じゃないが俺の通っている高校は超進学校なのである 基本的に大学進学以外の選択肢を考える人間はいない しかし俺は夏まで部活をしていたので、いきなりそれが現実的になってきて戸惑っているわけである
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