第1章 井上まりな

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井上さんは俺の勘違いにも可笑しそうにしていた 照れ隠しのようにその後はにかんだ 何だこの可愛い生き物は・・・・ 栗色の長い髪、大きくてクリクリした瞳、細身で身長は女子の平均より少し高いくらいだろうか・・・・ 「ところで・・・突然どうしたの?」 相変わらずガチガチ童貞丸出しの俺、まともに目を合わせることもできなくて情けない 「私と才川くんさ、3年間同じクラスじゃない?なのにあんまり話したことなかったからさ、話しかけてみようかと思って!!」 俺は騙されん、騙されんぞ・・・・・17年間童貞・・・もとい純潔を守り抜いてきた自負が俺にはある!!!! 「・・・・そっか・・・・」 俺!!!!おい俺!!!!可愛い女の子を前に怯むな!!!??? 「で・・・・でも俺みたいなのに話しかけるなんて井上さん変だね・・・・」 俺が精一杯ひねり出した言葉がこれだ 変にフランクにならず、自分という冴えない人間に話しかけてくれてありがとうという少しの感謝を込めた紳士的返答だ!! ・・・・言った直後に童貞丸出しの卑屈返答だったことに気づく 「え?なに?変って!!ていうか俺みたいなのってどういうこと?」 井上さんは少し膨れた表情でこちらに詰め寄る ち・・・近っ 「い・・・いやいやだから俺みたいな冴えないのによく話しかけるねってこと・・・・です」 「あのさあ、私才川君のこと、冴えないなんて思ってないよ?て言うかそんなに卑屈になられたら、話しかけてる私がなんかいじめてるみたいになっちゃうじゃん!やめて!」 初めてまともに話す女子に説教された そして返す言葉がない・・・・ 「そんなことより才川くんさ、こないだ男子たちが私のことビッチとか言ってるところに入って、やめようぜって言って他の話題に変えてくれてたよね」 ・・・・・・あ 確かにそんなことあった気がする・・・・ 「それに変えた話題でみんなを笑わせて、すごい人だなって思った!あの時男子たち一階の水道の前で話してたけど、私ちょうどその横の曲がり角のベンチにいてね、聞いてたんだ!!嬉しかったよ・・・!ありがとう!!」 俺さっき・・・総二郎が言ってた男遊びがどうとかの話に同意してたな・・・・罪悪感・・・
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