0人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
「いやまーなんかさ、集団で人の悪口言ってるの、あんま好きじゃなくて・・・それだけだよ」
どの口がほざく
あの時は面白いネタがたまたまあったため、話題を変えてもそれを言いたかったという、ただそれだけだったのである
相変わらずずる賢いアタマの回転だけは俺は速いようである
「ふふっ・・・・高校生活もあと半年もないけど、仲良くできたらいいね!またね!」
そういって井上さんはトタトタと可愛らしい小走りで去った
・・・・・・・・・
いやあ・・・いやあ・・・あんな可愛い子とこんなに話したのも、感謝されたのも初めてだ・・・
少し汗かいてるし・・・これだから俺って童貞は
ってか3年間同じクラスだからってか、それを言うために話しかけてくれたのかな、だとしたら
「めっちゃいい子じゃん・・・・・」
俺は棒立ちで一人そう呟いたのであった
「・・・・ん? はがね、遅かったな。何してたんだよ。」
「・・・いやあ、別に・・・・」
席に戻るや否やの総二郎の質問に答えた
「てかお前・・・すげえニヤニヤしてんぞおい・・・気持ちわるっ」
戻るとすでに井上さんらの姿はなかった 帰りがけに話しかけてくれたようだ
そして総二郎は少し考えるそぶりを見せると全てを悟ったように笑った
「お前・・・井上まりなと話したな?」
ぎくっ
「え?いやちげえよ!!ただの思い出し笑いだから!!」
我ながらアホな言い訳だ
「いや何を思い出したらそんなツラになんだよ ところで何話したんだよ!」
一蹴して、さらに追撃を行う総二郎
「なんだっていいだろ!!ってかもう8時半じゃねーか!!ほら行くぞ」
「やっぱ話してんじゃねーか!」
そんなこんなで帰路に着いた 途中総二郎の質問攻めにあったがなんとかはぐらかした
さっきの会話は俺と井上さんだけのものにしたい・・・みたいな謎の感情が湧いたためであった
最初のコメントを投稿しよう!