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「ありがとうございます
おかげさまでだいぶ良くなりました。
ハンカチ洗ってお返しします、あと、お礼…」
「気にしないでください
ハンカチはそのまま煮るなり焼くなり捨てるなりしてください」
さすがにそんなことはしないよ……
「でも、これ大事なものなんじゃ」
淡い緑色の布地に『I.I.』と深い緑の糸で刺繍が入っている
オーダーメイドではなかろうか
折り目もついていることからアイロンもかけて大切にしていることがうかがえる
すると俺の言葉に彼女の瞳が揺れた気がした
「いえ、ほんとに大丈夫ですから
そもそも名前も知らない相手にどうやって返すんですか?」
笑われながら言われてしまった
「たしかに…
でも、じゃあ、せめてお礼だけでも」
彼女は少し考えた後に
「では、あなたの年齢を教えてください」
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