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なので家族は秋月藩江戸上屋敷内の役宅に住んでおり、日向高鍋に拝領した屋敷があり、祖父と祖母が暮らしていたのです、源三郎は本妻信の子供ではなく、そばめ鶴の子供である、
母は深川で両替商を営む若狭屋吉衛門の娘であり、人望の厚い父を気に入り、そばめでもいいので傍においてくれと頼まれて父親がそばめにしたのです、源三郎には妹がおり、母は、
妹と二人で若狭屋の寮住まいをしており、時々父親が尋ねて来たのです、源三郎は男なので父の役宅に寝起きしていたのですが、窮屈なので屋敷を抜け出して、寮に出入りをしており、
母鶴は、
お信様に叱られるので早々に屋敷に戻るように言うのだが、月に何回か帰るだけで、本妻のお信から小言を言われても、ハイ、ハイと返事だけして一行に聞く耳もたなかったのです、
父は我が家には跡取りの源一郎がいるのでいいではないか、部屋住みは窮屈であろうからすてておけと取り合わなかったのです、兄源一郎とはいたって仲がよく、時々居酒屋で飲む、
事もあったのです、
祖父にあたる若狭屋吉衛門は娘の子供である源三郎が大好きで何かと言うと小遣いを与えていたので、源三郎は遊びの金には不自由しなかったのです、剣は一刀流の堀内道場に通い、
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