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「大人たちにはわからないことなんだけど、空で輝いている星たちはみんな意思を持っているの。そして、子どもたちとお友達になりたがっているわ」リオンは、星たちに向けて言った。「みんな、新しいお友達を紹介するわ。この子は悠馬、仲良くしてあげて」
「よろしくね」と優しそうな顔の男の子が言った。
「久々に地球のお話も聞きたいな」と大きな体の男の子が言った。
「一年に一度、この日を楽しみにしているのよ」と女の子が言った。
悠馬は星たちに負けないくらい煌めく笑顔を見せて、「よろしく!」と元気いっぱいに言った。それからみんなでお話に夢中になった。星たちがいつもどんな風に暮らしているのか、とかリオンからサンタの国のお話を聞いたり、代わりに悠馬は自分の家族や友達についての話をした。しかし楽しい時間の中、そいつは突然やってきた。リオンははっと気づいて、声をかけた。
「みんな、気をつけて。風の悪魔よ!」
けれど悠馬たちが反応するよりも、風の悪魔が五人を襲うスピードの方が速かった。びゅるるるん!、と凄まじい轟音が鳴り響いたかと思うと、悠馬も、リオンも、星たちも、それぞれが別の場所に吹き飛ばされてしまった。
悠馬はムチ打つような激しい暴風の中で、風の悪魔の形相を見た。風の悪魔は、二つの赤い瞳で憎々しげに悠馬のことを見つめていた。見えない腕でがしりと悠馬の首を掴み、絞め殺そうとした。
「悠馬、大丈夫!?」
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