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暴風から抜け出したリオンは、風の悪魔の本体のもとへと飛んでいった。しかし風が強すぎるせいでリオンは近くことができない。それどころか、風の悪魔はもうひとつの腕でリオンまでも絞め殺そうとした。
「この野郎!」
しかし、一番体の大きな星が腕に突進し、続けて二人の星たちも攻撃を加えたおかげで、リオンは風の悪魔から解放された。
「みんな、お願い。私が魔力をためている間、護っていてほしいの」
任せておけ!、と三人が口々に言った。
リオンはキャンディーケーンを両手で逆さに握って天へ掲げた。目を閉じ、ぼそぼそと呪文のようなものを唱えると、その先端に白い光が集まってくる。その魔力に気づいた風の悪魔は、今度はリオンを集中的に攻撃することに決めたらしい。両手でリオンの体をつかみにかかり、星たちがそれをぎりぎりのところで防ぐ。それでもだめだとわかった風の悪魔は、リオンに向かって突進していった。
(風の中に巻き込むつもりだ!)
解放された悠馬は、まだ苦しくて重たい体からなんとか力を振り絞り、リオンの盾になった。悠馬が作り出してくれた時間は、リオンに魔力を溜めるだけの充分な余裕を与えてくれた。
「ありがとう、悠馬!」
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