黒猫サンタのプレゼント

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 そして、リオンは杖の先端に集まった魔力の塊を風の悪魔に向けて解き放った。激しい光は風の悪魔に直撃し、爆発をした。その衝撃で全員が吹き飛ばされてしまったが、あたりの静けさから敵を倒したことを確認し、全員で顔を見合わせて喜んだ。 「すごいよ、リオン!」  悠馬とリオンは手を組み合わせて笑いあった。 「ううん。星たちがあたしを護ってくれたおかげだし、最後に悠馬が盾になってくれたから……。みんなのおかげよ」 「風の悪魔は、『幸せ』を妬むんだよ」と優しい顔の星が言った。 「特に一年に一度のこの日は、世界中に幸せが溢れているからね」と女の子の星も言った。 「だけど、みんなで戦えば、どんな敵でも怖くないってことさ」  次第に、夜明けがやってきた。夜の帳に白い光が差し込み、お別れの時間がやってきた。 「魔法の効果もそろそろ切れちゃうわ」とリオンは悲しそうに言った。 「リオンは、もう行っちゃうの?」 「ええ。これ以上悠馬と一緒にいたら、ルール違反になるから」 「また会えるかな?」  リオンはにこりと微笑んだ。 「ええ、きっと。それじゃあ、来年、また会いましょう。ばいばい、悠馬」 「ばいばい、リオン」  世界に太陽の光が差し込んだ。クリスマス・イヴの夜が終わりを告げた。同時に、夢が現実に近づいていくように、悠馬の視界が淡くかすんでいった。 (さようなら、リオン)     
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