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待ちに待った、聖なる夜が訪れた。
二人のグラスには黄金色のスパークリングワインが、悠馬のグラスにはアップルジュースが注がれた。
「ハッピー・メリー・クリスマス!」
三人で声を合わせて、三つのグラスがぶつかり合うかちゃんという音がした。笑い声と温かい気持ちが溢れて満ちて、幸福が部屋中に広がった。この日は一日中楽しい時間を過ごしたせいか、悠馬にはいつもより早い眠気が訪れた。
「あ、最後にサンタさんにお手紙を出しておかなくちゃ」
悠馬は部屋に手紙を取りに戻り、佳菜子に尋ねた。
「ねー、ママ。サンタさん、どこに置いておけばお手紙を読んでくれるかな?」
「どこでもいいんじゃないか? 悠馬が頑張って書いたんだから、どこに置いても見てくれるよ」と勇次郎が口を挟んだ。
「そうかな?」
「それじゃあ、自分の部屋の机の上に置いておけばいいんじゃない? 悠馬に近いところに置いた方がいいわよ、きっと」
「じゃあ、そうする。ママ、パパ、おやすみ」
「うん、おやすみ」と佳菜子が言った。
「いい夢を」と勇次郎が言った。
× × ×
明日になったら、プレゼントは届いているのかな?
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