第7筆 神様ではありません

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第7筆 神様ではありません

拝啓  神様、俺は馬鹿です。  単純に間違えました。  花言葉が母の優しさなんて、そんなこともちろん知りませんでした。そんな深い意味はないのです。  枯れずに届いたのは良かったけど、お届けしたのは神様ではありません。クローバーとカタバミの見分けもつかない男です。  だから、部活に入りたいという霧子さんのお願いは、ちょっと無理です。そもそも、どこの高校かも知らないし。と思っていたら、霧子さん、俺の学校に居たんですけど。なぜか学校の中庭で、一人で弁当を食べてました。  キレコって知ってるかって後輩に聞いてみたら、よく知ってて。転校早々、クラスの女子と掴み合いの大喧嘩をしたらしいです。  神様、この盗み読みはやめられそうもありません。その代わり、俺にできることなら罪滅ぼしにしますので、どうぞ御勘弁を。 敬具
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