3243人が本棚に入れています
本棚に追加
微かな光・・ ～ teacher side ～
中2の二学期から
保健室に来るようになった子。
授業中に倒れて運ばれてきた女子生徒…
早瀬里桜ーー。
目が覚めてからの表情をみて
『教室にいるのが辛かったら保健室に… 』
と、思わず言っていた。
それから、保健室に来るようになって…
最初は全く笑いもせず
話も聞いているのかいないのか。
でも、少しずつ話してくれるようになり
聞いた話は私でも辛く悲しかった。
親も友達も一度に失って、
信じてもらえない事に心が悲鳴をあげていて…
まだ、たった13歳の
少女の心はボロボロに傷付いてしまっていた。
とにかく話を聞いて吐き出させたいと思う。
ドロドロした感情を
出してあげたいと思いずっと聞いてあげる。
すると、少しずつだけど表情が変わってきて
たまに… ホントにたまに笑うようになった。
里桜の笑った顔はとても可愛くて
勉強もすごく真面目に頑張っているし…
もっともっと
この子の笑顔が見たいと強く感じた。
里桜の事を家で話すようになると
主人と娘も
『今日はどうだった？』
と聞いてくるようになって
『今日の里桜は… 』
は私達家族のキーワードになっていった。
中3に進級しても教室には行けないみたいで
修学旅行にも結局行けなかった。
私は家族と相談して来年から
始めようと思っていた準備を1年早めたーー。
最初のコメントを投稿しよう！