バレンタインデー

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ゆっくり下を向いて歩いた。 優ちゃんがいないと 寒いし暗いし怖いし寂しいし悲しいし… いろんな気持ちが 溢れて涙がポロポロとこぼれる。 早く帰ろう… 門のところで 後ろから車のライトが近づいてきたら、 〝プップー〟と軽いクラクションが鳴ってチラッと そっちを見た。 助手席の窓が開いて 『早瀬か?』と聞こえた。 川島先生とバッチリ目が合って 先生はすごくびっくりした顔で 『は、早瀬!?どうした!?』 先生は車を止めて降りて来ようとしたから 思いっきり走って逃げた。 途中、雪に足を取られて転びそうになったけど 誰とも話したくなくて説明もしたくなかった。 『おい!早瀬っ!!』 駅に着いてホームのベンチに座った と、同時に携帯が鳴る。 見てみると…パパからだった。 パパからの着信には絶対に出る事。 これは家を出る時に約束させられた でも、出ることができなかったーー。
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