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押入れを開けると途端に埃が舞い、古臭いにおいが漂った。それが鼻腔まで到達すると思わずむせ返ってしまう。 普段はベッドで寝ているから布団などは入れておらず、ここは滅多に開けることのない収納専用の押入れ。 久しぶりに開けたのは、ここに圭介と撮った写真を纏めたアルバムをしまっていたことを思い出したからだった。 目的のものを見つけると一冊、また一冊とダンボールに詰めていく。 中を見ることはしない。 もう二度と開くこともない。 ーーーこれは私が処分しよう。 アルバムについた埃をパンパン払い、全て詰め終えるとガムテープをしっかりと貼った。これで荷造り完了だ。 どうせ圭介の帰りは日付が変わった頃だし、置き手紙をしておけばいい。 この部屋ともおさらばだと思うと何とも言えない感情が込み上げてきたけれど、固めた決意が揺らがぬようにグッと唇を噛み締めた。
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