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手にした缶の容器はズッシリと重たかった。

一体、何が入っているのだろう。

気になった私は、興味本位と好奇心で開けてみることにした。

「想綴本…？」

中から出てきたのは一冊の本だった。
真っ白な表紙に浮かんでいる、“ソウテイボン”という文字。

聞き覚えのある言葉に首を捻り、暫し考える。

あ…思い出した。

それは何年か前に話題になり、よくメディアで紹介されていた本だった。

その名の通り、個々の想いを綴れる本で中身は全て白紙のページになっているのが特徴。

日記を書いてもよし、メモ帳にしてもよし、オリジナルのストーリーを書いてもよし、子供のお絵かき帳にしてもよし。そんな風に使い方も様々で斬新であることから飛ぶように売れていた本だ。

たしかに白紙の本なんて珍しく、インパクトも強いけれど…どうしてうちにこんな本があるのだろうか。