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パラパラ捲れば捲るほど出てくる私の名前。 そして、必ず同じ言葉で締めくくられる最後の一文。 〈今日も希望がいてくれたから一日頑張ることができました。ありがとう〉 愛と感謝で溢れる文面に視界が滲む。 圭介の書く字が好きだ。 ソッと触れてみたくなる。 圭介の書く文章が好きだ。 ずっと浸っていたくなる。 〈希望は花のようだといつも思う。綺麗で、可愛くて、元気と癒しをくれる。花屋で希望を見つけた時、どの花よりも希望に目を奪われた。初めてこんなにも好きになった人。大事にしたい。幸せにしたい。でも今の俺じゃまだ無理だ〉 〈俺ももう30過ぎ。周りの連中はどんどん結婚して父親になってる。嫌な顔しながらも愛する人のためにサラリーマン頑張ってる奴らばっかだ。俺は…いつまで夢を追い続けるつもりなんだ?数え切れないほどの幸せをくれる希望を早く幸せにしたいのに〉 最初は些細な幸せを綴っていたはずの本は、ページが進むごとに心の葛藤へと変わっていた。 音楽が好きで、デビューすることだけを夢見て直向きに頑張ってきた圭介の胸の内を初めて知ることになる。
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