第1章 不条理な判決

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「被告人は無罪とする」 裁判長の声が響き渡る。 傍聴席がざわつく。 被疑者側から怒号のような声。 篠田は思った「正義とは、いったい何なんだろう」 刑事としての責任感もある。 隣で聞いていた上司の松木が肩をぽんぽんと叩いて出て行く。 被告の西条直樹が不敵な笑みを浮かべて退廷して行った。 謝罪の言葉もなく、反省の色も無い。 「俺も迷惑しているんだ。」 だと、「ふざけるな!」 「俺が代わりに殺してやりたい」 拳を握りしめた。
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