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「被告人は無罪とする」
裁判長の声が響き渡る。
傍聴席がざわつく。
被疑者側から怒号のような声。
篠田は思った「正義とは、いったい何なんだろう」
刑事としての責任感もある。
隣で聞いていた上司の松木が肩をぽんぽんと叩いて出て行く。
被告の西条直樹が不敵な笑みを浮かべて退廷して行った。
謝罪の言葉もなく、反省の色も無い。
「俺も迷惑しているんだ。」
だと、「ふざけるな!」
「俺が代わりに殺してやりたい」
拳を握りしめた。
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