再会そして交際

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部活を辞めたおかげでツキ先輩のことは頭の中の奥底の方に移動していたし、『時が解決してくれる』というのは間違いなくて高校を卒業して短大にも通い出したことで私の生活自体も一変し、一年半という時間の中でツキ先輩のことはほとんど思い出さなくなっていた。 少しずつお化粧もお姉ちゃんから習って始めた。驚くことに三女の百華は中学3年だというのに私より化粧がうまかった。 短大に入って3ヶ月が過ぎた頃、ブラバンの部長だったナミと博多駅でばったり出会った。ナミは学年でも5番以内に入る秀才で、あの国立の『九大』の理系に現役合格していた。 「扶美花ーーーっ!久しぶり!」といつものハイパワーな女。それでも大学生になって少しオシャレに目覚めたように見えた。 「おお!ナミ!」と手を()げた。
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