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必死に作った紙切れの花を見て、君は笑顔なのに、今すぐに泣きそうだった。
大きく手を挙げる姿を見てドキドキしているのが伝わって、話終えると小さく安堵する姿を見て笑ってしまった。
あの頃の君はただ見に来てくれた母親が嬉しくて、ニコニコ笑っていたというのに、同じ場所だというのに、立場が違うとこんなにも違うものか。
何を言っても反論が返ってきて、拒絶された扉の前で、君は寂しそうに仕方ない、仕方ないと呟いた。
お母さん、会って欲しい人が居るの。
そう伝えられた時の、驚きと、喜びと、寂しそうな顔は忘れられない。
そう、寂しくなるわね。幸せになるのよ。
そう言って笑った君は、綺麗だった。
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