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「 」 扉を開けると、震えた母の声。 直ぐに移動して、式が始まるらしい。 着いた先は何もかもがモノクロで。 その中広がる濃紺に、君は一人、居心地が悪そうな顔をした。 さようならの儀式。 最後の対面。 何もわからず笑う妹の横で、初めてのことにぎこちなくこなすそれは、ただ一人経験値の差が浮き出ている。 君は何を感じたのだろうか。 ただ静かに前を見据えた君に、僕は何の声もかけられなかった。
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