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「早計だな。呪いとはまだ決まっていないんだぞ。ただ偶然、短命の人が続いただけかもしれない。魔法効果は呪いだけではないからな、他の身体能力を上げた結果が早死に繋がったかもしれない。もしかしたら指輪の素材に原因があるかもしれない。本当に指輪に込められた怨嗟の念だけで死に至るのかもしれない。今後の新発見に役立つ貴重なサンプルかもしれないな」
なんだか楽しそうだ。先輩の研究テーマは幅広い。未知で面白そうなものであれば何でもやろうとする。
「それよりも、レポート手伝ってくださいよ」
この世界に来てから言語と文字は理解できるのが幸いだったが、せめて形式だけでも教えてもらわないと。
「ふぅ・・・・つまらないな。テーマ何なんだ?」
「伝書の考察だとかでテーマは死者の書にしようかと・・」
死者の書とは一度死んだ人間を再び蘇らせることが出来る禁忌の本らしい。1000年前この本を召喚しようとしたために消滅した国があるとか。
「死者の書か、それなら面白いな」
少し乗り気になってくれたようだ。
「死者の書は死人を蘇らせることが出来る。愛するものの復活のため、軍事兵器として利用するため、犯罪を証明するため、労働力として使用するため様々な思惑で求められることが多い。一番有名なのは1000年前に降盛を極めた魔導大国マカヒキが一夜で滅んだ話だな。君はどう考えたんだ?」
「なんでも隣国の人が朝起きると何もかもが無くなっていた、そこには最初から何もなかったかのように無限の平野が広がっていたと・・・・。おそらく召喚に失敗してその魔力の余波で国が滅んだのではないかと・・・」
そのまんま、月並みで考察でもないかもしれないけど。
「恐ろしくつまらないな」
一刀両断された。質は求めてないんだけど。
「大体、禁書の召喚に失敗したとなるとその余波で隣国もろとも壊滅してもおかしくない」
そんなにすごいのか。
「それでも近隣住民が何も気づくことが無く、朝に発見されたとなると・・・・」
ためる先輩。
「召喚は成功していたんじゃないかな」
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