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■夜は無事に明けて周囲を森に囲まれた街道が急に開け、風の匂いが変わる。
ほんのりと潮の香りを乗せた風を感じながら、エレングラードに向く街道に乗る。
朝日とともにグスタフは目を覚ましたが、オズヴァルトは酒樽の間で無茶な姿勢で眠っている。
馬もずいぶん走らせたために疲れが見える。
【グスタフ】「そろそろだな」
【ミルク】「この丘を登りきれば村が見えるよ」
【グスタフ】「一昨日立ち寄った村で聞いた噂では、キスレヴでは戦争が近いのか貴族や騎士たちの動きが慌ただしいようだぞ」
【ミルク】「アタイらの名声もビルケヴァイゼまでだね。これまでは追いはぎたちもアタイのデコ馬車を見ると近寄ってこなかったけど、これから先はそうはいかないだろうね」
【グスタフ】「おいはぎ程度なら可愛いもんだが、相手が金目当ての名ばかり貴族や騎士となると厄介だな」
【ミルク】「うん。ビルケヴァイゼに着いたら、馬の交換と情報収集をしておかなきゃだな」
【グスタフ】「ビルケヴァイゼだ! おい、起きろ若造!」
【オズヴァルト】「なんすか?あっ痛たたた、寝違えた」
■一行はビルケヴァイゼの村に到着する。
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