1482人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
「先生までも、バカにして」
「いや失敬、これは違うんだよ」
テーブルの上に、ソーサーとカップを二つ用意する。清ためにミルクピッチャーと角砂糖を横に並べた。
「君が、あまりにも可愛らしいものだから」
「子どものような扱いはおよしになってください」
むっとしたままの清は、ミルクを入れ、茶色に変わったコーヒーに口づけた。
「おいしい」
途端、見開かれた瞳の中の海が、きらきらと輝き始める。朝の光のせいなのか、睦月はまぶしくて目を細めた。
「先生とても、美味しいです」
「それはよかった。君は、甘いものが好きかい?」
「はい、とても」
「では今度、あんみつでも食べに行くとしようか」
「あんみつですか?」と彼が小首を傾げた。
最初のコメントを投稿しよう!