2.朝日の中で

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「おや、あんみつはお好みではなかったかな」 「いえ、好物です。先生もそのようなものをお召し上がりに」 「ああわたしは、クリームあんみつなるものがとても好みでね」  ふふふっと、今度は清が笑い声をあげた。 「先生、あなたもとても可愛らしいお方だ」 「わたしのことを可愛らしいなどと、言うのは君ぐらいなものだよ、清」  ぽっと頬をそめて清は視線をそらす。睦月は、その頭に触れようと手をのばし、動きをとめた。開かれた手をぎゅっと握ると、そのまま元の位置の戻る。  いけない。と心の中で呟く。これに触れては、いけない。 「先生?」 「あ、あぁ何だい」  青年がこちらを見つめている。睦月は動揺を悟られぬように、平静を装う。 「先生は、朝食はお召し上がりにならないのですか」 「そうだね…何か食べたいのかい、作ろうか」 「いえっ、僕がおつくりいたします…いいえ、つくらせてください」  困ったように清は眉毛を下げている。睦月は口元に笑みをつくる。 「では、お願いしようかな」
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