君を

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君を

たしかあの日は少し肌寒くて、広く澄んだ空に冬の始まりを感じていました。 土曜日の朝早く、私は1人で電車に乗りました。 秘密の一人旅に出たのです。 行き先は12駅先の、隣の、隣の町。 まだ日が昇ったばかりなのに、たくさんの人が電車に乗っていました。 海のよく見える窓際の席に座りました。 その電車は動き出し、私を二度と戻れない場所へと運ぶのでした。
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